街から醸し出される気配…そこに蠢く人間模様を書くルポライター「一ノ瀬 修平」。
彼は、都会に翻弄される人間の様を描いた処女作「東京の病」を本として発表することと引き換えに、取材対象者が自殺してしまうという悲劇に見舞われ「書く…」という意欲を完全に失ってしまう。
そんな彼の本を出版へと導き、苦楽を共にしてきた出版社で働く「星野 剛」は、突然会社を辞め、積年の夢である「オーロラを宿す大地…カナダ・ユーコン準州ドーソンシティ」に移住することに。
あれから11年…「一ノ瀬」は「星野」のいる街「カナダ・ユーコン準州」を訪れ、この地に根付く様々な「命」と「星野」の存在によって、長らく閉じ込めていた「書くという意欲」と「大切な心の記憶」を徐々に呼び覚ましていく。