『スーパーナチュラル』のジェフリー・ディーン・モーガンが高級ホテルのオーナーを務め、『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコがその妻を華麗に演じるドラマ・シリーズ『マジックシティ 黒い楽園』。製作総指揮・脚本を『リクルート』『大いなる遺産』などハリウッド映画の脚本家として知られるミッチ・グレイザーが手掛けた本格クライム・ドラマだ。キューバ革命に揺れる1959年マイアミを舞台に、ホテル王アイク・エヴァンスの大いなる野望と、マイアミを牛耳るギャング、ベン・ダイヤモンドとの壮絶な権力闘争が描かれる。
シーズン2では、『ゴッドファーザー』のソニー役でお馴染みの名優ジェームズ・カーンが登場し、シカゴに君臨するギャングのボス、サイ・バーマン役として凄みを利かせる。サイの登場で、ますます白熱するマイアミの利権争い。アイクは自らの野望を叶え、家族を幸せにすることができるのか。夢をのせて成長してきたマイアミビーチに、黒い野望の嵐が吹き荒れる。
前シーズンで、ジミー・“シューズ”殺害容疑で逮捕されたアイク。ヴェラは高額な保釈金を工面できず、ベンの手下であるベルからお金を受け取ってしまう。ベンのお金で保釈され、ミラマーに戻って来たアイク。ホテルは資金不足に陥り、正念場を迎えていた。同じ頃、アイクの殺人現場にいた証人として大陪審に出廷したジュディは、それまでの証言を覆して「アイクは殺していない」と宣言。他に証拠がなかった検事クラインは起訴を取り下げるしかなかった。ミラマーではアイクの帰還を祝うパーティが開催され、ベンもパーティに現われるが、アイクは冷たくあしらう。その態度に危機を感じたベンは、シカゴのボス、サイ・バーマンに連絡を取るのだった…。
1950年代のアメリカは、本土にほとんど被害が及ばなかった唯一の戦勝国として大いに繁栄した。アメリカンドリームやアメリカ黄金期と呼ばれる時代で、高級ホテルや高級車など、豊かさを象徴するものが次々と生み出されていった。
『マジックシティ 黒い楽園』の舞台となるのは1950年代後半のマイアミビーチ。第二次大戦後、マイアミは観光リゾート地として栄え、高級ホテルの建設が進んだ。立ち並んだホテルでは、フランク・シナトラやディーン・マーティンなど多くのエンターテイナー達のショーで賑わった。ラジオショーやテレビショーが放映され始めたのも50年代から。夏はニューヨーク、冬はマイアミから放映されるショーは定番となり、これらのショーはマイアミビーチの宣伝に大いに貢献し、ますます賑わいを増していった。
ケネディ家からギャングのボスまで、あらゆるセレブリティが訪れた観光リゾート地マイアミだが、50年代後半から暗雲が立ち込める。1959年1月1日、カストロによるキューバ革命政権が誕生。キューバからの麻薬密売ルートを失ったギャング達は代わりの収入源を得るために、マイアミの高級ホテルに目を付ける。時おりしもジョン・F・ケネディ政権が誕生し、司法長官ロバート・ケネディによる組織犯罪の撲滅作戦が展開され始めた頃でもあった。