2000年作品
製作:ブライアン・イーストマン、監督:ブライアン・ファーナム、脚色:アンソニー・ホロウィッツ
日本語版プロデューサー:里口 千、日本語版演出:佐藤 敏夫、日本語版翻訳:宇津木 道子
出演:
ポワロ … デビッド・スーシェ/熊倉 一雄
ヘイスティングス … ヒュー・フレイザー/安原 義人
ジャップ主任警部 … フィリップ・ジャクソン/坂口 芳貞
ミス・レモン … ポーリン・モラン/翠 準子
※ ※ ※
パトリック・レッドファーン … マイケル・ヒッグス/家中 宏
クリスティン・レッドファーン … タムジン・マレソン/金沢 映子
アレーナ・スチュアート … ルイーズ・デラメール/山像 かおり
ケネス・マーシャル … デビッド・マリンソン/津嘉山 正種
あらすじ
食事中に倒れたポワロは、運動と食餌療法のために南海岸のリゾート・ホテルに滞在する事になった。ホテルには、美しい女優のアレーナ一家やジャーナリストのパトリック夫妻らひと癖ある人々が滞在していた。特にスキャンダルで有名なアレーナとパトリックは誰もが怪しむ仲だった。ポワロも不穏な空気を感じ取っていた。そして遂にアレーナが殺されてしまう。やがて、宿泊者全員に彼女を殺害する動機がある事が判明する。
食事中に倒れたポワロは、運動と食餌療法のために南海岸のリゾート・ホテルに滞在する事になった。ホテルには、美しい女優のアレーナ一家やジャーナリストのパトリック夫妻らひと癖ある人々が滞在していた。特にスキャンダルで有名なアレーナとパトリックは誰もが怪しむ仲だった。ポワロも不穏な空気を感じ取っていた。そして遂にアレーナが殺されてしまう。やがて、宿泊者全員に彼女を殺害する動機がある事が判明する。
執筆の地
本話の原作は、クリスティの先の短編小説『砂に書かれた三角形』の設定や展開を土台にしたと思しき一編。プロットそのものは異なるものの、本シリーズにラインナップされている同題のドラマ化作品を観ると、本話と同様の趣は充分、窺えます。 サンディ・コーヴ・ホテルのある島のモデルは、クリスティが1930年代に親しみ、何度も訪れたイングランド南西部のデヴォン地方にあるバー島。彼女はこの島にて、この地を舞台とする本話の原作を執筆したとのこと。ちなみに、ポワロは登場しませんが、彼女の著作でもトップを争う評価と人気の偉大なる長編推理小説『そして誰もいなくなった』の舞台、インディアン島のモデルもこのバー島だそうです。 無粋な様にポワロは眉を潜めたものの、冒険心をくすぐられる必要最低限の大胆なその姿。本土と島を渡るためのエンジンと大輪、あとは海面に突き出して荷を運ぶ骨格に最小限の覆いだけの車輌、シー・トラクターも実在のものです。
別れの二話
前話でポワロが復帰し、再び4人がかたどる車輪が回り始めたムードを醸し出すも、皮肉なことにそんな本話のラストを最後に、4人が揃うシルエットは最後となります。未映像化の原作はまだかなり残っておりドラマシリーズは続くものの、そこにポワロを除くレギュラー陣はもはや登場しなくなります…と、いや実際、多くのファンがそのことに大いに落胆したものの、幸いなことに、最終回の3話前『ビッグ・フォー』においてあと一度だけ、再び懐かしき4人が揃い顔を合わせる機会が設けられましたので、本話で完全なお別れということにはならないのですが。
地中海の殺人
おなじみ、リゾート地を舞台に起きる殺人事件を描いた本話。そしてこの原作もまた、スーシェの前にはまり役としてポワロを演じていた、ピーター・ユスティノフ主演の一作『地中海殺人事件』(1982)として映画化されています。映画版ではその邦題通り、舞台は地中海の島にアレンジされています。